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大学の研究テーマの決め方は?事前に準備できることも紹介!

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大学の研究テーマの決め方って...?

 

 

大学生活が終盤に差し掛かったころから始まるのが「卒業研究」や「卒業論文」にむけた研究室やゼミの配属です。この配属が決定した後に待ち受けているのが「研究テーマの決め方」をどうするのかという問題ではないでしょうか。

 

【研究室配属に関してはコチラの記事で詳しく解説しています】

大学の研究室やゼミの選び方。最低限知っておいて欲しい、迷ってた頃の自分に伝えたい言葉。 - かいぼーの全力で学生を応援するBlog

 

おそらく多くの学生さんが以下のような疑問を抱えていると思います。自分自身も研究室配属の際に一番気になっていたのが「研究テーマの決め方」でした。

  • 大学の研究テーマの決め方って?
  • テーマに関する知識がなくても平気?
  • 早めにやっておくべきことってある?

 

 

 

いきなりテーマを決めろと言われても、学生にとってはかなりハードルの高い作業になります。そこで今回は以下のようなステップで「大学の研究テーマの決め方」について解説していきたいと思います。

 

 

私自身はこの記事を書いている現在大学卒業間近で、1年半ほど研究活動をしてきました。最近、研究室の下級生からも研究テーマの決め方について相談を受けたので、読者の皆さんにとっても参考になれば嬉しいです。

 

大学の研究テーマの決め方は3パターン

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大学の研究テーマの決め方は3パターン

研究テーマの決め方は配属される研究室次第で左右されるものだと考えてもらってかまいません。同じ大学の同じ学部でも、研究室ごとに異なる研究テーマの決め方をしているのですが、大きく分けると3つのパターンで説明することができます。

簡単に1つずつ解説していきます。

 

1. 先輩の研究テーマを引き継ぐ

まず1つ目が「先輩の研究テーマを引き継ぐ」というパターンです。

このパターンは大学研究の構造上よくあるパターンで、配属された学部生と入れ替わる形で卒業していく先輩から研究テーマを引き継ぐことが多いです。

 

研究テーマというのはどうしても2~3年間では完結しないものが多く、大学院に進学して研究を続けたとしても1人で真理にたどり着くことは容易ではありません。

そのため、先輩が行っていた研究テーマをそのまま引き継ぎ、先輩のデータから得られた仮説を検証していく。という卒業研究は多く存在します。

 

「引き継ぐだけでは面白くなさそう…」と感じる人もいるかもしれません。しかし自分で研究を進めていけば、また新たに謎が生まれ、気づいたら卒業の時期を迎えていて、更に細かい部分は次の後輩たちに託す。なんてことも当然あり得ます。そんな世界なので研究が終わることなんてないんですよね...

 

ちなみにこの時、自分の興味や関心も教授に伝えることが出来るはずです。複数の先輩が卒業を迎える場合は、自分の興味にあったものを引き継ぐことが出来るでしょう。

 

このパターンであれば、研究テーマを引き継ぐ先輩から実験手法や調査方法、データの見方などを直々に教えてもらうことが出来るので、研究開始時のハードルは比較的低いと言えます。

 

 

 

2. 教授が研究テーマの候補を提示

2つ目は「大学教授が研究テーマの候補を示してくれる」というパターンです。

これもよくあるパターンです。研究室内でそれまでに得られているデータや結果をもとにして、教授が更に調べたいこと、検証したいことを研究テーマとして割り振ってくれます。

 

大学の研究室では、各学生がそれぞれのテーマを持っていますが、多くの場合「研究室の教授が専門としていること」に関連するテーマを持つことになります。

そのため他の学生の研究結果が自分の研究テーマにおけるヒントになったりすることもあるぐらい、「各個人の研究テーマの結びつき」は強いです。

つまり、研究室全体としての研究の進めかたに沿った形の個人のテーマが与えられるということが予想されます。

 

1つ目の研究テーマの決め方と同様に、自分の興味や関心を伝える機会を設けられ、それに基づいて教授がテーマを提案してくれることでしょう。

 

3. 自分で研究テーマを考える

最後の決め方のパターンは「自分で研究テーマを決める」というものです。

この方法が一番大変です。なぜなら研究室配属直後の学部生には、基本的な教科書中心の知識はあっても「研究の実態」はわからないからです。

 

  • 実際にどんな研究が今現在進んでいるのか
  • 何が分かっていて何が分かっていないのか
  • 配属された研究室ではどんな結果が得られているのか

このあたりの「現在進行中の研究の実態」を理解しないことには、この研究テーマの決め方はかなり苦しいものになります。

また、研究室に配属されるまでの間にどれだけ勉強してきたかが、この3つ目の研究テーマの決め方の難易度を左右してきます。

 

教授や先輩たちも助けてくれるとは思うので、自分の配属された研究室やゼミの研究テーマの決め方がこのパターンだった場合は、迷わず周りの人に頼ることも大切です。

 

 

大学の研究テーマに関する知識はあったほうが良い

ここまで読んで頂いたらなんとなくは分かると思いますが、大学の研究テーマを決める上で、その分野に関する知識は絶対にあったほうが良いです。

 

上記の決め方3パターンのうち、3つ目の方法はもちろんのこと、1つ目と2つ目の決め方の場合でも、研究テーマを決めていくうえで大学教授や先輩とテーマについて話す機会は多くなります。

(正直なところ、私自身が研究室に配属されたときは、学部生の間に平均レベルの成績しか取れていなかった上に、テストが終わってしまえば忘れてしまうような勉強をしていたので、かなり苦労したのを覚えています。)

 

ましてや実際に研究するとなると、それまでの講義では聞いたこともなかったような専門用語や、一見関係のなさそうな分野の知識などがたくさん出てきます。

流石に完璧に準備するのは厳しいので、分からないことはその都度調べていけばいいと思いますが、研究テーマの決め方のプロセスを考えると配属前~配属直後にかけてしっかり勉強した方が良いのは確実でしょう。

(私自身が苦労したので是非皆さんには少しでも早く「研究って楽しい!」と感じてもらいたいというのが本音です…)

 

 

 

大学の研究テーマの決め方を左右する事前準備

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研究テーマを決める前にやっておくべきこと

では最後に大学で研究テーマを決める上で、事前にどんな準備をしたらいいのかという具体的な方法について簡単にまとめていきます。

 

大きく分けると以下の3ステップになります。

  1. 研究テーマに関連する教科書を読む
  2. 研究室の卒業生の論文を読む
  3. 研究テーマに関する論文を複数読む

手短に1つずつ解説します。

 

1. 研究テーマに関連する教科書を読む

まず最初にやるべきは「日本語で書かれた教科書」を読むことです。

よくあるパターンとして、いきなり英語論文を読まされるというパターンがあるのですが、研究室で扱うテーマに関する基本的な知識がないうちから英語論文だけで勉強するというのは、あまりお勧めしません。

 

というのも、研究論文では世界各国の研究者が様々な実験や調査を行った結果をまとめた高度なもので、基礎知識がない状態ではなかなか理解できません。そもそも英語で専門用語もたくさん出てくるので難易度が高いです。

 

英語論文に関しては3つ目のステップで解説しますが、まずは研究室のテーマに関連する日本語の教科書で、基本となる知識をザっと身に付けましょう。暗記するというよりは、各専門用語のつながりを体系的に広い視点をもって把握することが大切です。

 

2. 研究室の卒業生の論文を読む

2ステップ目は「研究室の卒業生の論文」を読むことです。

意外と見落としがちなのですが、研究テーマの決め方に関わらず「卒業生の論文」はかなり有効な教材になります。

 

その研究室で研究を行った人の修士論文卒業論文は、教授に言えば見せてくれるはずなので必ず目を通しておくことをお勧めします。

 

実験手法や考察などはもちろん重要なのですが、「どうしてその研究テーマになったのか」=「現状何が分かっていて何が分かっていないのか」について書かれていることがほとんどなので絶対に読んでおきましょう。

自分で世界中の論文を読み漁るよりよっぽど時間と労力の節約になります。

 

3. 研究テーマに関する論文を複数読む

上記の2つのステップを終えて(もしくは同時進行で)最後にするべきことが「研究論文を読む」ということです。

ここまでの2ステップで基本的な知識はある程度ついているはずなので、最後は「実際に行われている研究を知る」作業に入りましょう。

 

この時に意識するべきことは「理解できなくてもある程度は気にしない」ということです。論文は読み慣れるまでは1本読むだけでもかなりの労力が必要です。

分からなかったら諦めて先輩や教授に質問するということを意識して、1人で全て理解しようとしないようにしましょう。

 

論文を読む際は以下のようなページで検索することをお勧めします。

中には権利の都合上、読むことが出来ない論文もあるかもしれませんが、大学のWi-fiからアクセスすると見れる場合もあります。

 

 

 

ここまでが「大学の研究テーマの決め方」と「研究テーマを決めるまでにやるべきこと」をまとめた内容になります。

せっかく学費を払って研究をすることになるので、この先の人生に生きるような経験になるように頭を使っていきましょう!

 

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